“ミニマリスト”と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
“ミニマリスト”とは、「最小限の」という意味のミニマル (minimal)から派生した造語で、物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人のことを言います。
でも、そういう暮らしをしている人が身近にいなければ、「物を持っていない人」「ケチな人」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
私はまだまだミニマリストになれていませんが、「ミニマリストになりたい!」という思いを抱くようになりました。
「ミニマリストに興味がある」とか「私も目指しています」というような人にも届くと嬉しいです。
“ミニマリスト”という考え方との出会い
私がミニマリストを知ったのは31歳の時です。
31歳の私は、前厄だということを気にも留めず、育児休業を終えて仕事復帰。
しかし、仕事に復帰してすぐに、交通事故に遭い救急搬送。そこから体調を崩し休職を余儀なくされ…。
なんだか人生が空回りしている気がしていました。
気持ちも落ち込み、最低限の育児と家事をこなすだけの日々。ほぼ一日中ベッドに横になっている日さえ少なくありませんでした。
「なんでこんなことになってるんだろう」「なんとかこの状況から抜け出したい」そう思った私が、まず始めにやったことは、不要なものを捨てることでした。
正確には、仕事ができない罪悪感を消すために、仕事に必要な本など、とにかく自分の視界に入れたくないものを家から追い出す、という作業をしたのです。
この時はまだミニマリストの存在を知りませんでした。
ただただ、不要なものを捨てたら自分の不幸も一緒に捨てられないかな、その先に何か良いことが起きないかな、という一心でした。
でも、闇雲に物を捨てるのはもったいない、みんなはどうやって捨てているのだろう、と調べているうちに“ミニマリスト”として暮らしている方々を知りました。
手放すということ
“ミニマリスト”という考え方に出会い、2つの大きな学びがありました。
1つ目は、「自分のお気に入りだけで暮らす」ということ。
2つ目は、「手放す」という考え方です。
今まで「物を捨てる」ということに罪悪感を持っていた私には、衝撃的な考え方でした。
元々心配性で、人の目が気になるタイプです。
仕事でスーツを着ることはめったにありませんが、だからこそ「変な格好をしていると思われないかな」と不安になり、同じような服を何着も持っていました。
でも、決まって着るのは同じ服。「念のため」「とりあえず持っていれば安心」と思って買った服なので、着ていてもしっくりこないのです。だからと言って捨ててもいいのかな…。
そう思っていた私に、「手放す」という考え方は新鮮でした。
「自分の手に持っていたもの放す」というのは、ゴミ扱いをするのではなく、卒業をする、もしくは許す、という感覚に近い感じがしました。
「人の目を気にしていた自分を卒業する」「辛い今の自分を責めるのではなく、許してあげる」そんな風に思えたのです。 そして、物に対しても、捨てるというよりは、役割を終えたから私の手元から手放す、次に必要としている人に譲る、と考えられるようになりました。
シンプルに生きる
“ミニマリスト”という言葉は知りませんでしたが、私の根底には、それに近い考え方があったのかもしれません。
ミニマリストとして発信されている方のインスタグラムやYou Tubeを見ていると「ゆたかな人生が始まる シンプルリスト」の本の紹介がありました。
様々なリストを通して自分自身と向き合い、人生において必要なものと不要なものを見極めることができる本です。実は私、高校生の時にこの本を買っていたのです。探してみると、実家の本棚にちゃんとありました。
また、自分の好きなもの1つを大切にする、という考え方も無意識のうちに持っていたことに気が付きました。
例えば、婚約指輪はいらないから、気に入った結婚指輪だけを一生大切にしたい、とか、結婚式のブーケは、高くてもいいから1つだけ好きなものを作ってそれを持っていたい、など様々な節目で「お気に入りのものだけを大切にする」という選択をしていました。
ただ、その自分の価値観に気が付いていないだけだったのです。
目指すところは
“シンプルに生きる”という価値観を改めて自分の中で認識した、今の私が目指すのは、モノ、思考、家事など生活に関するすべてのことに“ミニマリスト”の考え方を当てはめていくことです。
例えば、自分が費やしたくない、不要だと思っている時間は何か、を意識して過ごすということです。何気なく開いたスマホで1時間も2時間もSNSを見る、という時間は手放したい時間だと思うようになりました。しかし、その代わりに自分をリラックスさせるために動画を見る、という時間は意識して確保したい、そんな考え方ができるようになりました。
この考え方は家事などでも、様々な場面に応用できると思っています。
自分の価値観を大切に、シンプルな生活を送る、これが今の私の目指す生活です。
そして、このことに気が付くことができた今、過去の辛さも必要なものだった、と認めて苦しんだ自分を労わってあげたいと思います。
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